ROR(Research Organization Registry)のルールのまとめ
OpenAlexはOrchidやDOIやROR(Research Organziation Registry)を基盤として構築されており、所属機関(Affiliation)の項目だけでなく、助成機関においても同様に利用されています。また、フランスなどではWorkMagnets等を活用し、一つの機関が100を超えるのChild RORを保有している事例もあります。これらの背景を踏まえ、Child RORやRelated Organizationsの設定等についてまとめさせていただきます。
Q1. Child RORについてどのような時に作成するのか、Related Orgnizationはどの程度関係 がある時に作成するのか等のルールが記載されているサイトを教えてください
- Child/Related の判断基準が詳しく書かれたブログ記事
“Parents, Children, and Other Relationships in ROR Records” https://ror.org/blog/2023-02-27-parents-children-and-other-relationships-in-ror/
Child organizationをRORに追加するかどうかの判断では、親組織からの独立した地位・アイデンティティや資金源があるか、Affiliation表記としての使われ方、そして個別のROR IDを付与することがアウトプット追跡を容易にするか困難にするかなどを考慮しているResearch Organization Registryと具体的に説明されています。 - 関係タイプの技術定義
ROR Data Structure(技術ドキュメント) https://ror.readme.io/docs/ror-data-structure
Parent/Child関係は親が子に対して監督・管理・財政的な支配を行う場合、または子が親の構成要素(大学内の研究センター等)である場合を指す。Related関係はそれより緩やかな繋がり、例えばリソース共有や直接的な支配関係を伴わない参加などを示すRORと定義されています。 - スコープ・収録基準の全体方針
ROR Registry ページ https://ror.org/registry/
RORはAffiliationのユースケースに対応するための高レベルなレジストリであり、大学の学部(department)のマッピングは対象外だが、研究所(research institute)や実験室(laboratory)などの一部サブユニットは対象内である Research Organization Registryとされています。 - キュレーションプロセスの詳細
“Journey of a Curation Request” https://ror.org/blog/2025-10-08-journey-of-a-curation-request/
新規組織をRORに収録する際の最も重要な基準の一つは、その組織が発表された研究においてCreatorのAffiliationとして引用されているか、またはFunderとして謝辞に記載されているか Research Organization Registryという点です。 - FAQ(よくある質問)
ROR FAQs https://ror.org/about/faqs/
RORは大学の全サブユニットを網羅することを目的とせず、高レベルな機関情報の維持に集中している。大学の学部は頻繁に生まれ、閉鎖され、統合・改称されるため、安定性の観点からもRORのスコープには含まれないResearch Organization Registryと説明されています。
Q2. RORには地理情報もあるが、地域が異なれば異なるRORを作成すべきでしょうか?
原則:同一組織であれば、地域(拠点)が複数あっても基本的に1つのROR IDを使う理由と根拠を3点に分けて説明します。
- Schema 2.0以降は「複数ロケーション」を1レコードに収録できる
Schema 2.0からRORメタデータは1つのRORレコードに複数の所在地を記録することをサポートしている。ただし、RORレコードの大多数は1つの所在地のみを持ち、RORのメタデータポリシーが複数所在地を認める例外的な状況を定めている。 ROR
つまり、「東京メインサイト+大阪サテライトサイト」のような組織は、原則として1つのROR IDに複数のlocationを追加する対応になります。 - 「地域が違う=別組織」ではなく、独立性・アイデンティティで判断する
Child organizationをRORに追加するかどうかの判断では、親組織からの独立した地位・アイデンティティや資金源があるか、Affiliationとしての使われ方、そして別のROR IDを付与することがアウトプット追跡をより容易にするか困難にするかを考慮する。 Research Organization Registry
単に「場所が違う」だけでは別ROR IDの根拠にはなりません。 - 多国籍企業の「国別拠点」はChildとして扱われる場合もある
RORには多国籍企業の各国ブランチのような「child」や「related」の組織も含まれる。 ROR
ただしこれは例えばElsevierのオランダ本社とElsevier UKのように、それぞれが独自のAffiliationとして論文に引用される実態がある場合に限られます。
まとめ:判断フロー
None
地域が異なる拠点がある
↓
論文上のAffiliationとして、その拠点名が
独立して使われているか?
↓
NO → 同一ROR IDに複数locationを追加
YES → 独立した資金・運営・アイデンティティがあるか?
↓
NO → 同一ROR ID
YES → 別ROR ID(Child関係で紐づける)
↓
論文上のAffiliationとして、その拠点名が
独立して使われているか?
↓
NO → 同一ROR IDに複数locationを追加
YES → 独立した資金・運営・アイデンティティがあるか?
↓
NO → 同一ROR ID
YES → 別ROR ID(Child関係で紐づける)
具体的な詳細ポリシーはGitHub上のROR Metadata Policiesにも公開されており、
https://github.com/ror-community/ror-updates/wiki/ROR-Metadata-Policiesが一次情報として参照できます。




