身体的虐待シリーズ:虐待による頭部外傷(AHT)
日本語版
最終的に虐待による頭部外傷(AHT)と診断された乳幼児や小児の臨床症状は、症状のないものから致死的なもの、あるいはそれに近いものまで様々です。このeラーニングモジュールでは、虐待による頭部外傷(AHT)の最も典型的な所見、語られた病歴や身体所見からの鑑別の仕方、受傷メカニズムや受傷時期の推定の仕方、虐待以外で生じた頭部外傷との鑑別の仕方について学習をしていきます。
臨床予測ツール、スクリーニング、病歴聴取、画像検査や採血評価を含む診察に関する指針を学習することで、この知識を臨床に応用することができるでしょう。実際の第一対応者のボディーカメラ映像や加害した養育者の告白動画は、養育者からの病歴聴取とその留意点について認識する、またとない機会を提供します。
この「虐待による頭部外傷(AHT)」の学習モジュールは、「いつ虐待を疑うのか」について概説を行った「子どもの身体的虐待の医学的評価」モジュールの発展版というべきものであり、鑑別疾患を慎重に検討する際に必須である、「まず頻度の高い病態を考えつつ、稀な病態を意識に置いておく」という在り様を、学習者が認識できるようになることを目指しています。身体的虐待シリーズの他のモジュールと共に学習することで、臨床の最前線に立つプライマリーケア医療者にとっても、虐待専門医にとっても、貴重な学びが得られるでしょう。
このモジュールは、臨床の現場でのクリティカル・シンキング(批判的思考法)を促進するため、ナラティブな概論とケーススタディを組み合わせて構成されています。症例ベースで行った学習というのは、臨床現場での知識と実践を統合するうえで有用となり、また実際の臨床現場でケースに対応するうえで、再び本モジュールに立ち戻り参照するという形で活用することも出来るでしょう。
学習目標
- 虐待による頭部外傷(AHT)の定義を理解し、説明することができる
- 虐待による頭部外傷(AHT)における損傷のメカニズムを定義することができる
- 虐待による頭部外傷(AHT)に典型的な徴候について説明することができる
- 虐待による頭部外傷(AHT)の可能性がどの程度あるのかを判断する際に、臨床予測ツール(CPRs:Clinical Prediction Rules)を活用することができる
制作チーム
- カースティン・ベクテル医師
- アンマラー・イクバル医師
- グンジャン・ティヤグラ医師
- ローラ・R・スピラー医師
- アンソニー・ザルカ医師
- ナンシー・D・ケロッグ医師
- 日本語翻訳監修 溝口史剛医師
