トラウマ・インフォームド・ケア~トラウマ・インフォームド・ケアについて最低限知っておくべき9つの事柄~
日本語版
診察を拒む。目を合わせない。急に話題をそらす。
ーそんな子どもを前にしたとき、あなたならどうしますか。
「誰かに触られるのも嫌だし、誰も信じられないの」
これは、教材に登場する少女レイチェルが、診察を受けることを拒んだときの言葉です。長く児童相談所が関わってきた背景のあるこの少女には、相手を信頼するために必要な「4つのルール」がありました。そのひとつが、「私に嘘をつかないで」というものです。医師がその4つのルールにどう応え、レイチェルがどう変わっていったのかも、教材で紹介しています。
トラウマを経験した子どもにおいて、レイチェルのように「こう接してほしい」と言葉にすることができるケースは多くはありません。そこで求められるのが、トラウマ・インフォームド・ケアです。これは、トラウマの影響を受けている人がいること、そしてその恐怖や苦痛が言葉で語られないことが多いことを深く理解したうえで行う、支援のアプローチです。
子どもが被害について話し始めたときや、トラウマを経験した子どもに接するときはもちろん、大人への敵意、引きこもり、不安、恐怖、身体の不調などが見られるときにも、トラウマが関係している可能性を念頭に置く必要があります。
このeラーニングモジュールでは、トラウマの影響を正しく理解し、子どもと適切に関わるための9つの事柄を、具体的な場面や動画とともに学びます。事例は米国の診察や面接の場面ですが、子どもの声に耳を傾けるすべての方にとって、日々の支援や関わりにすぐ活かせる内容となっています。
本教材は、全11タイトルの基礎教材シリーズ「子ども虐待とネグレクトについての重要な知識」の1つです。子どもの診察に関わる医療従事者の方はもちろん、保育・教育・福祉など、子どもに関わるすべての専門職の方におすすめの内容です。
教材の特長
- 1子どもへの対応を選ぶ設問
診察や面接を拒む思春期の子どもなど、さまざまな場面で、複数の声かけの中から、子どもの不安を軽く扱わず、威圧もせず、説明と選択を示す対応はどれかを考えます - 2「ただ聞く」と「傾聴」の違いを見極める演習
子どもの発言に対する複数の返答を「ただ聞いているだけ」と「きちんと傾聴している」に振り分け、傾聴とは何かを具体的に学びます - 3写真で見比べる、環境づくりの設問
目線の合わせ方、部屋の照明や色彩、机の有無などを写真で見比べ、子どもが安心できる関わり方や環境を選びます - 4模擬面接と「共感」の動画
思春期の子どもとの面接の様子や、子どもや養育者が何を考え、何を感じているのかを想像する動画を通じて、関わり方のポイントを学びます
制作チーム
本モジュールは、NPO法人CHRISTUSが運営する子ども虐待評価センター「Center for Miracles」(米国テキサス州)の医師チームにより開発されました。
- ナンシー・D・ケロッグ医師
- ナタリー・キッスーン医師
- ジェームズ・ルクファー医師
- ローラ・R・スピラー医師
- 日本語翻訳監修 溝口史剛医師
- 日本語版制作 SENDA-Projectチーム
