子どもに関わるすべての職種向け基礎教材
医療ネグレクト~医療ネグレクトについて最低限知っておくべき10の事柄~
日本語版
通院の予約を守らない。
薬を飲ませていない。
受診が遅れた。
――それは本当に「ネグレクト」でしょうか。
「交通手段(車)がなかった」
これは、子どもの通院の予約が守られなかった際に、養育者から実際に語られた言葉です。受診の遅れや通院の中断、医師の指示に従わないことが、必ずしも養育者の「ネグレクト」を意味するわけではありません。その背景には、知識の不足、言語や文化の違い、経済的・時間的な余裕のなさ、養育者自身の病気や、児童相談所への恐れなど、さまざまな事情が隠れていることがあります。
一方で、医療ネグレクトは子どもを重大なリスクにさらすことがあり、身体的ネグレクトや監督ネグレクト、身体的虐待と併せて懸念されるケースも少なくありません。
このeラーニングモジュールでは、「何をもって医療ネグレクトとするのか」という難しい判断を、リスクとベネフィットの分析や養育者の能力の評価など、順を追って考えるための10の事柄を、実際の症例とともに学びます。宗教上の理由による治療の拒否や、代替医療、ワクチン接種の拒否といった論点にも、米国内の例を挙げて触れています。
本教材は、全11タイトルの基礎教材シリーズ「子ども虐待とネグレクトについての重要な知識」の1つです。子どもの診察に関わる医療従事者の方はもちろん、保育・教育・福祉など、子どもに関わるすべての専門職の方におすすめの内容です。
教材の特長
- 1受診・治療の緊急度を見極める演習
年齢や症状の異なる事例について、受診しなかった場合のリスクと治療のベネフィットを「低・中・高」で自分で判定し、同じ受診の遅れでも緊急度が異なることを体感します - 2判断プロセスを追うケーススタディ
頭皮の腫れで受診した乳児と大腿骨を骨折した幼児の2つの症例を通じて、「症状は明白だったか」「受診の遅れは健康に影響したか」「受診を妨げる障壁はなかったか」を順に確認しながら、受診の遅れがネグレクトにあたるかを判断する流れを学びます - 3受診の障壁を探る演習
「医療ネグレクト」と判断する前に確認すべき受診の障壁を考えます。言語の違い、交通手段、経済面、児童相談所への不安など、受診を難しくしている背景を、具体的な事例から読み取る練習をします - 4慢性疾患・医療的ケア児の事例
慢性疾患のある思春期の患者や、医療的ケアが必要な幼児など、複雑な背景をもつ事例から、親と子それぞれの責任の分担を整理し、親の思いに寄り添う視点を学びます
制作チーム
本モジュールは、NPO法人CHRISTUSが運営する子ども虐待評価センター「Center for Miracles」(米国テキサス州)の医師チームにより開発されました。
- ナンシー・D・ケロッグ医師
- ナタリー・キッスーン医師
- ジェームズ・ルクファー医師
- ローラ・R・スピラー医師
- 日本語翻訳監修 溝口史剛医師
- 日本語版制作 SENDA-Projectチーム
