「RDA(Resource Description and Access)」の公式版への移行 1回目/3回を予定
2026/10/12
図書館の目録作成における国際的な基準である「RDA(Resource Description and Access)」の公式版への移行をテーマにした3部構成のウェビナーの第1回目です。
レポート:RDA MARCレコードから公式RDAメタデータ・アプリケーションプロファイルへ
このウェビナーでは、従来のMARC(目録形式)の枠組みの中で、どのようにRDAの概念を理解し、整理していくかという実践的なアプローチが解説されています。
1. 主な目的と背景
- 目的: MARCレコードから、RDA公式のメタデータ・アプリケーションプロファイル(MAP)へ移行するためのステップを理解する。
- 対象: すでにMARCの知識がある目録担当者。
- 対象リソース: 「非集約的な固定リソース(単行本など)」を想定。
- 分析対象: 「著作(Work)」「表現(Expression)」「体現形(Manifestation)」の3つのエンティティ(※「個別資料」は除く)。
2. 主要な概念の整理
講師は、MARCの各フィールドがRDAのどのエンティティに対応しているかを、キーワードを用いて分類しました。
- 体現形 (Manifestation): 物理的なリソースそのもの。
- キーワード: 版、形式、物理的特徴、出版、製造、識別子(ISBNなど)。
- 表現 (Expression): 知的・芸術的な内容の実現形態。
- キーワード: 言語、翻訳、内容の種類、パフォーマンス、感覚。
- 著作 (Work): 知的・芸術的な創造物そのもの。
- キーワード: アイデア、概念、主題、種類、内容。
3. 重要な気づきと結論
- MARCの限界: MARCはレコード全体を一つのストーリーのように記述するため、RDAの複数のエンティティが混在してしまい、構造を理解しにくくさせている。
- MARC 240フィールドの課題: 多くの参加者が直面する「統一タイトル(240フィールド)」の扱いは、RDAの観点では「著作」と「表現」の両方の要素が混ざり合っているため、非常に複雑で「結合双生児」のような状態であると指摘されました。
- 結論: RDA公式版へ移行するためには、現在MARCで記述している内容を一度「MARCの枠組み」から取り出し、RDAのエンティティごとに整理して評価する必要がある。その際、「この要素は十分にリソースを記述・識別できているか?」という問いを立てることが重要です。
💡 まとめ
このセッションは、長年慣れ親しんだMARCという形式がいかにRDAの概念を「覆い隠しているか」を解き明かし、メタデータの構造を論理的に分離して考えるための第一歩となる内容でした。
次回以降のセッションでは、データの記録方法やソース、関係性の定義など、より詳細な要素へと議論が進む予定です。
