Q&A:統合・吸収された旧機関の論文を、統合先機関に紐づけるには(OpenAlex)
質問
B大学は過去にA大学へ統合され、現在はA大学の一学部として存在しています。独立した大学としては存在しないため、現在は ROR ID を持ちません。同様のケースは日本国内に複数あります。
ROR のドキュメントでは、旧機関を「非アクティブ(inactive)」レコードとして登録し、統合先機関との間に後継(successor)関係を設定できるとされています。想定される流れは次のとおりです。
- B大学を統合・吸収したA大学が、B大学の非アクティブな ROR レコードを新規申請する
- B大学名義で発表された論文に、その旧 ROR ID を割り当てる
- ROR の後継関係を通じて、それらの論文をA大学に紐づける
OpenAlex Member は通常、自機関の所属情報しか修正できません。そのため、次の点を確認しました。
- 論文の所属がB大学になっている場合、どうすればA大学の ROR ID に紐づけられるか
- メンバー自身が ROR の後継/前身関係を編集し、機関単位の集計やフィルタに反映できるか
- できない場合、統合先への帰属はどう行うのが推奨か
OpenAlex からの回答
1. 想定していたワークフローは正しい
- A大学が、B大学の非アクティブな ROR レコードを申請し、後継機関としてA大学を指定する
- ROR に登録されると、OpenAlex に独立した機関として取り込まれ、B大学名義の論文がその機関にマッチングされる
- OpenAlex はB大学をA大学の「系譜(lineage)」に含める。そのため、A大学の lineage でフィルタ(
authorships.institutions.lineage)すると、B大学の論文も含まれる
2. すでに実例がある
日本国内の複数の統合事例で、この仕組みはすでに機能しています。たとえば、D大学とE大学が統合して新たにF大学となったケースでは、F大学の lineage でフィルタすると約11.5万件の論文が返ります。一方、F大学単体への直接マッチは約1.2万件で、約10倍の差があります(いずれも2026年10月時点)。
3. 注意点
- メンバーが後継関係を編集する必要はありません。この関係は ROR 側で管理されており、その情報が OpenAlex に反映されます。
- 機関ごとの works count には、その機関に直接マッチした論文しか含まれません。B大学分を含めたい場合は、lineage フィルタを使います。
まとめ
統合・吸収されたB大学の論文は、次の流れでA大学に集約できます。①B大学の非アクティブな ROR レコードを、A大学を後継として登録する。②OpenAlex がB大学を独立した機関として取り込む。③A大学の lineage でフィルタする。後継関係は ROR 側で管理されるため、OpenAlexMemberが編集する必要はありません。ただし、A大学単体の works count にはB大学分は含まれないため、集約には lineage フィルタが必要です。




