ROR Community Call 2026年5月度 レポート
このコミュニティコールでは、ROR(研究組織レジストリ)の最新の進捗状況、技術的なアップデート、そして研究エコシステムにおける重要な連携プロジェクトについて共有されました。このレポートは、2026/5/19に行われたミーティングの要約です。
🚀 RORの現状と最新アップデート
- コミュニティの活発化: RORは7年以上にわたり、オープンな研究インフラとして成長を続けています。
- 利用統計:
- Crossref: ROR IDを含むレコードが100万件に迫る勢いです。
- DataCite: アフィリエーションIDを持つレコードの99%がRORを採用しています。
- ORCID: 新規登録レコードのほとんどがROR IDと紐付けられており、全体の66%がROR IDを保持しています。
🛠 プロダクト開発のハイライト
1. 「Single Search」の導入 (Adam Butrick氏)
- 効率化: より高性能なアフィリエーション照合戦略である「Single Search」が、数週間以内にデフォルトの照合戦略となります。
- ユーザーへの影響: APIのレスポンス形式に変更はなく、ユーザー側でのクエリ書き換えも不要です。より精度の高い照合結果が期待できます。
2. UIの刷新
- 検索UIの再設計が進んでおり、APIの高度な検索機能をフロントエンドユーザーにも使いやすく提供することを目指しています。
📋 キュレーションとガバナンス
- 自動化の推進: AI生成によるキュレーション依頼が増加しているため、審査の効率化を図るための自動優先順位付けロジックを導入しました。
- 地域的拡大: フランスの組織階層の整備や、アフリカの研究組織の登録、日本のNISTEPデータとの連携など、グローバルなカバレッジが着実に拡大しています。
💰 Crossrefによる資金提供者(Funder)照合の刷新 (Jason Portinoi氏)
Crossrefでは、資金提供者情報の照合プロセスを大幅に分解修理しています。
- RORへの移行: 従来の「Funder Registry DOI」から「ROR ID」への移行を進めています。
- 研究ネクサス(Research Nexus)の強化: 資金提供者、助成金、研究成果物のリンクを強化し、より透明性の高いオープンな研究記録を目指します。
- デモンストレーション: 曖昧な資金提供者名であっても、ROR IDを正確に割り当てる高度な照合技術が披露されました。
🇧🇪 フランドル組織レジストリ:RORのローカル拡張 (Peter Asploff氏)
ベルギー・フランドル地方における独自の取り組みが紹介されました。
- 「ROR Plus」モデル: RORには含まれないが、地域的に重要な組織(地元の非営利団体や政府機関など)を特定・登録するためのローカルレジストリを構築。
- データの豊かさ: ベルギーの企業レジストリIDなどを活用し、RORのデータモデルをベースにしつつ、地域特有の組織データを補完しています。
- オープンソースの精神: この手法は、RORをベースにしつつ地域的な拡張を必要とする他の組織にとっても、再現可能なモデルとして共有されています。
📅 今後の展望
RORチームは、今後もコミュニティからのフィードバックを重視し、透明性の高いインフラ運営を継続します。次回のコミュニティコールは7月に予定されており、さらなる技術的進歩や連携プロジェクトの発表が期待されます。




