RORにおける「補助金機関(funder)」と「著者の所属機関(affiliation)」の区分けについて
RORでは以下のような設定になっています。
同じレジストリ、異なる「タイプ」ラベル
RORは元々、著者の所属機関を識別するために作られたレジストリですが、Crossrefの Open Funder Registry(旧FundRef)がRORに統合されたことで、補助金機関もRORの中で扱われるようになりました。つまり、補助金機関と所属機関は同じRORレジストリの中に共存しており、別々のデータベースに分かれているわけではありません。
区分けの仕組みは、RORスキーマ v2 で導入された types フィールド(組織タイプ)です。RORでは全9種類のタイプが定義されています: education, funder, healthcare, company, archive, nonprofit, government, facility, other。
ポイントは、一つの組織が複数のタイプを同時に持てることです。たとえば日本学術振興会(JSPS)なら government + funder、東京大学なら education のように分類されます。大学が自ら研究助成プログラムを運営している場合は education + funder の両方が付くこともあります。
実際の使い分け
論文のメタデータにおいて、同じROR IDが文脈に応じて異なる役割で使われます。
- 著者の所属(affiliation): 著者がどの機関に属しているかを示すとき → ROR IDを affiliation フィールドに記載
- 補助金機関(funder): 研究資金を提供した機関を示すとき → 同じROR IDを funder フィールドに記載
つまり、ROR ID自体には「これは補助金機関用」「これは所属機関用」という固有の区別はなく、メタデータ上のどのフィールドに記載するかで役割が決まる設計です。types フィールドの funder ラベルは、その組織が資金提供の役割を持つことを示す補助的な情報にすぎません。
旧Funder IDとの関係
歴史的にはCrossrefのOpen Funder Registryが補助金機関に独自のFunder ID(DOI形式)を付与していましたが、これがRORに統合されました。旧Funder IDは引き続き解決可能で、RORレコードの external_ids フィールドに対応するFunder IDが格納されています。今後は新しい補助金機関にはROR IDのみが付与されます。
