最新のOAデータ更新により、分析結果に変化が見込まれます
Unsubをご利用の皆様へ
いつもUnsubをご利用いただき、誠にありがとうございます。この度、Unsubで利用されているUnpaywallのオープンアクセス(OA)メタデータを大幅に更新いたしました。これに伴い、Unsubの分析結果(特に**OA率(%OA)やコスト・パー・ユース(CPU)**の推定値)に変化が見込まれますのでお知らせいたします。
Unpaywallの改善点とデータ更新の背景
Unsubの基盤となっているUnpaywallでは、データの正確性、速度、改善の容易性を向上させるための大規模なリライトを実施し、この数か月間で集中的な改善作業が行われました。
ゴールドOAの検出強化
Unpaywallは、最も一般的なOA形態であるゴールドOAのカバー率を大幅に向上させました。
・新しい情報源の追加:OJSジャーナル、J-STAGE、SciELO、MDPIなどの完全OA出版社を含む約18,300の新しいジャーナルに「ゴールドOA」のステータスが追加されました。
・アルゴリズムの調整:情報源が特定できないOA記事について、ブロンズより発生率の高いゴールドに割り当てることで、全体の誤差を減少させました。
・結果:Unpaywall内でのゴールドOAの割合は、5月の14%から**19%**に増加しました。
グリーンOAとその他の改善
・グリーンOAの定義明確化:リポジトリの判別基準を改善し、特に近年増加しているプレプリントやデータリポジトリ(SSRNを含む)の取り扱いを明確にしました。これにより、色の割り当てが一貫したものになっています。
・バグ修正:Elsevier User License下の作品をハイブリッドとして誤って計上していたバグを修正し、ブロンズに分類し直しました。
Unsub分析結果への影響
これらのUnpaywall側の改善に加え、Unsubにおいても**%OAのデータが適切に更新されないバグが修正**されました。
以前のデータセットでは、このバグによりOA率(%OA)が実際よりも低く見積もられていた状態でした。この度のデータ更新とバグ修正の結果、以下の影響が想定されます。
1. %OAの増加:より多くの論文がオープンアクセスになっているという現状が正確に反映され、OA率(%OA)が以前より高くなるケースが多く見られます。
2. コスト・パー・ユース(CPU)の増加:OA率が高くなったことで、オープンではない(購読が必要な)コンテンツの利用に必要なコストとして計算されるCPUの推定値が、以前の分析結果よりも高くなる傾向があります。
これは、以前のCPU推定値が「保守的(低め)」であったことを意味します。今回のデータ更新により、より現実的かつ正確なコスト分析が可能となります。
お手元の分析結果を再確認されることを推奨いたします。
今後の展望
UnpaywallとUnsubは、今後もデータの正確性向上に努めます。特に、今後予定されているOpenAlexのリライトにより、UnpaywallとOpenAlexが同じコードベースを共有することになります。これにより、両システム間でのデータ不一致が解消され、コミュニティ全体でデータを改善できる体制が整う予定です。
ご不明な点やご質問がありましたら、お気軽にお知らせください。
今後とも、Unsubによる賢明な意思決定をサポートしてまいります。



