
学術研究の分野において、画像データは、科学的研究成果の重要な要素であり、画像処理の方法は、学術的完全性に影響してきます。しかし、画像処理は複雑かつ専門的であるため、その再利用(使い回し)の問題を特定することは困難なことが多く、また多くの人手と時間を要します。ImaChekの科学論文の不正画像自動検出システムは、大量の画像を迅速にスクリーニングできるだけでなく、様々な種類の画像を効果的に識別し、自動または手動による解析作業ができ、不正画像検出の効率及び精度を向上させます。
この記事では、撤回論文からのいくつかの実験画像セットをケーススタディとして使い、ImaChekが画像の使い回し(重複)をどのように識別できるかを見ていきます。まずは、以下の24枚の画像に似たような画像がないか探してみてください。
同時に大量の画像が表示されると、どうしても類似画像の識別に手間がかかります。ここで必要になるのが、検出システムです。ImaChekにファイルをアップロードし、画像解析を行ったところ、下記赤枠の2つの画像は類似していることが判明しました。
ImaChekの検出結果から2つの画像を単独でフィルターにかけると、識別しやすくなりました。ImaChekは2つの画像の類似点を表示することもできるので、どこが類似しているか、一目瞭然です。
次に、別の画像を見てみましょう。
今回は画像枚数が少ないですが、類似箇所を特定する難易度が下がるとは限りません。ImaChekの検出結果によると、答えは下記のようです。
類似箇所がハイライトされていても、2つの画像は似ているように見えません。そのため、さらにImaChekの手動分析ツールを使って判断する必要があります。
手動分析ツールの「類似箇所を自動的にマッピングする」機能を使ってみます。ボタンをクリックすると、システムが自動的に2つの画像の類似箇所を重ね合わせ、画像の類似性をより判断しやすくなります。一方の画像は、もう一方の画像と部分的に重なるように回転・拡大縮小されています。これは肉眼で認識することが難しいケースです。
最後に、もう1組の画像を見てみましょう。
ImaChekで解析したところ、類似している画像が2組検出されました。
肉眼では、これらの画像はそれぞれ回転しているように見えますが、実は、このケースの場合は、次の図に示すように、部分的な使い回しに当てはまります。
複数の精密な顕微鏡画像に問題がないか手作業で確認するのは、膨大な時間と労力がかかります。ImaChekは、迅速な解析・検出により、画像の類似箇所を特定することができます。これにより、画像確認作業の全体的な効率化や精度の向上を実現します。不正画像の検出にご興味がありましたら、ぜひオンラインでImaChekのトライアルをお申し込みください。注:ImaChekは、大学、研究機関、その他の組織によるトライアル申請を受け付けております。
参考文献:
[1]Li, J., Yu, T., Cao, J., Liu, L., Liu, Y., Kong, H.-W., Zhu, M.-X., Lin, H.-C., Chu, D.-D., Yao, M., & Yan, M.-X. (2015). MicroRNA-148a suppresses invasion and metastasis of human non-small-cell lung cancer [Retracted]. Cellular Physiology and Biochemistry, 37(5), 1847–1856. https://doi.org/10.1159/000438546
[2]Wu, J., Du, M., Zhang, Q., Zhang, W., Fan, Y., Yin, L., Fei, Q., Jiang, X., Chen, W., Zhu, H., Yan, P., He, X., & Bian, X. (2018). Long noncoding RNA UCA1 promotes the proliferation, invasion, and migration of nasopharyngeal carcinoma cells via modulation of miR-145. OncoTargets and Therapy, 11, 7483–7492.
[3]Cao, J., Zhang, D., Moon, H., Lee, M., Kim, H. H., & Lim, B. (2019). Long noncoding RNA LINC01234 promotes serine hydroxymethyltransferase 2 expression and proliferation by competitively binding miR-642a-5p in colon cancer. Cell Death & Disease, 10, 137.
注:ImaChekは、大学、研究機関、その他の組織によるトライアル申請を受け付けております。ご興味がありましたら、弊社までお問い合わせください。