Unsub.org について
» FAQ

1. サービス提供会社及びサービスについて
Q1. OurResearch社とはどのような会社でしょうか?
A: OurResearch社はNPO法人で、研究をよりオープンにするためのツールを開発してきました。基本的にはUSのファンドから資金提供を受けて、プロジェクト単位で完結させたサービス提供を行ってきました。それぞれのサービス及び資金提供団体については、こちらのサイトをご参照ください。
有名なサービスは、unpaywallというサービスで、ブラウザのAppsとして、OA論文へのナビゲートするサービスを提供しており、現在では、3000万論文以上のOpen Access論文へのアクセスを提供しております。
Q2. Unsub.orgとはどのようなサービスですか?
A: 図書館員の方から、OA論文のデータベースを利用して購読分析のツールを作成してほしいとの要望を受け、図書館のファンドの元で作成したツールがUnsub.orgの原型となっております。現在、図書館からの要望に応える形で、Unsub.orgという有償サービスとして提供をさせていただいております。
Unsub.orgは、JournalのCost Per useについて分析し、継続可能なジャーナル購読を実現するための意思決定ツールとなります。購読ジャーナルのOA化率、CUP(一論文利用あたりの費用)、施設の購読ジャーナルの引用情報、施設の購読ジャーナルへの著作物情報等様々な切り口を用意して、最適な購読に繋げるための総合的な情報を提供します。
2. 測定可能な出版社及びコレクションについて
Q1. 現状どのような出版社に対応していますでしょうか?
A: 現在、DOIとISSNと個別の価格、COUNTERレポートをサポートしている、すべてのジャーナルに対応できるようになりました。
Q2. すでに切り崩してしまったパッケージについても、CPU(Cost Per Use)の測定は可能でしょうか?
A: CPU分析として、ジャーナル毎の価格をシステムに入力することにより測定が可能です。
Q3. 購読誌以外をPayPerviewとして処理しているケースで、Unsub.orgでCPU等を測定できますでしょうか?
A: PayPerViewはILLコストとして処理することで同様な結果を得ることができると考えております。ただ、ILLコストは1論文あたりの平均のドル費用とその割合が対象になるため、正確な値を提示するのは難しいと思われます。より正確な測定のためには、購読雑誌のCPUを測定して、Excel等で出力したのち、各ジャーナルの論文ごとの1ダウンロードあたりの費用を算出して、別途計算することをお勧めいたします。
Q4. 非購読ながら引用や投稿は自機関から多くあるジャーナルもUnsubで測定したいのですが、可能でしょうか?
A: 実際には購読していないジャーナルを購読していることにする形でCOUNTERレポート上に追加すれば、引用・投稿回数の情報のみで当該ジャーナルの「費用対効果」を算出させることは可能です。
Unsubでは、あくまでも現在購読しているタイトルの効果分析を基本的な製品コンセプトとして掲げております。上記の方法に対して公式なサポートがされていない点についてはご理解いただいた上でご検討ください。
Q5. そもそも現状の契約形態がパッケージ契約ではなく、ひとつひとつジャーナルを選んで購読しているのですが、それでもUnsub.orgを利用することはできるのでしょうか?
A: 可能です。こちらのビデオに詳しい方法の説明がございます。
3. Unsub.orgの設定及び利用者が用意する情報について
Q1. 購読者のシナリオはいくつまで作成できますか?
A: 無制限に作成することができます。
Q2. Unsub.orgで分析を開始するために、どのような情報を登録する必要がありますか?
A: 必要な情報は以下の通りです。パッケージで測定する場合、パッケージ購読価格(出版社への支払いドルまたはポンド価格)、個別ジャーナルのISSNと価格表、COUNTER(4または5)の利用統計、個別ジャーナルの値上がり率、パッケージの値上がり率が必須となります。また、より詳細なレポートの出力のためには、キャンセル後のアクセス権を示すPTA(Post Termination Access)情報を入力いただくことで、より実態に近いシミュレーションを提供します。
Q3. 正確な予測をするためにPTA (Post Termination Access)が必要と聞きましたが、入手方法がわかりません。
例えば、Elsevier社は、こちらのようなサイトでオンラインの収録情報を提供しています。
PTAの情報として上記のファイル等は利用可能でしょうか?または、どのような情報を入手すれば良いのでしょうか?
A: Elsevier社のFreedomコレクションのタイトル等の情報からは、PTAは取得することができません。正確なPTA情報を得るためには、出版社に確認する必要があります。出版社は大学のPTA情報を所有していると思いますが、情報を提供することに躊躇する可能性があります。情報としては、下記の通りです。
Q4. Unsub.orgの利用にあたり、COUTNER4と5の情報が必要と聞きました、どのような情報を登録する必要がありますでしょうか?
A: DOIレベルの情報を入手できる、COUNTER5を推奨しており、COUNTER5 TR_J2, TR_J3, TR_J4の情報をシステムに登録ください。
Q5. COUNTER5のTR-J2はアクセスが拒否された回数のデータですが、Unsubでアップロードしなければならないのはなぜでしょうか?
A: TR-J2のデータは、ジャーナルを購読しなかったときにかかると予測されるILLコストの計算に利用されます。
4. Unsubの提供情報の確認について
Q1. 必要な情報を登録したら、下記のような情報が表示されました。どのように見れば良いでしょうか?
A: 左の棒グラフは、5年間の予測コスト、左から2つ目の棒グラフは、利用統計のカバー率、右側のヒストグラムは、■1つ1つがジャーナルを構成しており、購読ジャーナルをCost Per Useの順に並べており、マイナスから100ドルまでを表示します。右下のヒストグラムの下の2つのバーは1利用が100ドルを超えるものとPaywallでの利用がないジャーナルという順番に表示されます。
Q2. ジャーナルはCost Per Use(費用対効果)で表示されるとききました。通常のジャーナル購読費用➗ダウンロード数とどのように違うのでしょうか?UnsubのジャーナルのCPU(費用対効果)はどのように計算されていますでしょうか?
A: 通常の費用対効果では、ジャーナルの購読費用➗ダウンロード数で計算されますが、unsub.orgでは、実効ジャーナルコスト➗実効利用数で計算されます。実効ジャーナルコストは、ジャーナルコストージャーナルをやめた時にかかるコスト(ILLや1ダウンロードにかかるトランザクション費用等)が対象になります。また、実効利用数は、COUNTER準拠の利用統計からUnpaywallで閲覧可能なOpen Articleを引いて、さらに施設での引用や施設での著者数毎の重みづけを算出して、計算されます。
下記のジャーナルの例では、Annual costとして、ジャーナル購読費用($3548-)から、ILL等の購読しなかった時のコスト($577-)を引いて、実効の購読費用を算出します。Annual Usageとして、利用統計からのダウンロードした数(下記の場合は902)にCitationでの利用(21citaiton*15(重み付け)及び著者の数(0*100(重み付け)での重み付けされた乗数を掛けて、実効利用数(1208)を算出し、その中から、OA論文へのアクセス(299)を引いて、お金を支払わないと閲覧できない実効利用実数(909)を算出します。実効購読費用($2971)を実効利用数(909)で割った数字($3.27)がunsub.orgが提供するCost Per Useとなります。
一方で、Annualコストとして、購読した場合のコスト($3548)と反対側のコストとして、購読しなかった場合予想されるILLのコスト($577)を引いて購読に関わる実数($2971-)を算出します。最後に、購読に関わる実数($2971-)からお金を支払わないと見れない利用実数(909)を割った金額($3.27)が1ダウンロードにかかる費用として計算されます。
Q3. 個別ジャーナルの5年間の予測はどのように計算されていますでしょうか?
A: 個別ジャーナルの5年間の予測は、A12での画像のTimelineをクリックしてください。
下図のようにTimeLineではジャーナル個別の今後5年間の利用予測、現状のOA種別毎の収録情報、利用情報(ダウンロード数、Citation数、著者数等)、さらに5年間の購読コストを計算しております。
Q4. ヒストグラム以外の表示形式はありませんか?
A: ヒストグラム以外に、表形式で表示させることができます。
ジャーナル単価、利用統計、ダウンロード数、Citation、Open化率、著者数など、様々な切り口からの情報を収集することができます。
Q5. CitationやAuthorshipの情報をどこから入手されていますでしょうか?
A: Citation及びAuthorshipのデータは、同社で構築しているOpenalexというサービスで提供しています。
Q6. いくつかのジャーナルをまとめて購入すると特別価格で購入できるケース (ミニバンドル)は、どのように対応されるのでしょうか。
A: 2021年時点では、Unsubは単体のジャーナル価格のみのサポートとなります。したがってミニバンドルの価格は反映されませんが、現状でご提案可能な対処方法として以下がございます。
COUNTERレポート上からミニバンドルパッケージ内のメインのジャーナル1タイトルを選び、残りのジャーナルの利用統計データを加算してひとつのジャーナルの利用統計として扱います。その際に残りのジャーナルの価格は0としますが、この場合Cost Per Useも0となるため費用対効果の高いジャーナルとして間違って扱われるというデメリットがあります。
Q7. 出力できる情報は、どのような内容を含むのでしょうか?
A: ジャーナルタイトルやISSN、CPU、Download数、Citation数、Author数などの、ブラウザのUnsub.orgで表示される内容をCSV形式で出力することが可能です。(各ジャーナルタイトルのTimeLine情報は出力されません。恐れ入りますが、あらかじめご了承ください。)
Excelサンプル:
Q8. 論文の「ダウンロード回数」とは、PDFのダウンロードのみを指すのでしょうか?
A: Unsubでは、PDFのダウンロード回数だけでなくHTMLの論文閲覧回数も考慮しています。「ダウンロード回数」は、双方を合わせた総数となります。
5. 対象通貨について
Q1. 例えば、ElsevierやSpringer Nature等は円価格をサポートしております。今後、円価格を設定する予定はありませんでしょうか?
A: 残念ながら短期的なプロジェクトの開発予定には含まれておりません。今後複数通貨のサポートが検討されておりますが、開発におおよそ、6か月から18か月が必要となります。多数のヨーロッパ機関が購読いただいているため、今後、Euroについては開発の議論がありますが、現在日本でのお客様が少ないため、プライオリティは少し下がっている状況です。
6. 購読費用及び購読期間について
Q1. Unsubの購読費用に関しては、図書館資料費が対象と聞きましたが、資料費の定義を教えてください。
A: 資料費は、図書館のプリントおよびオンライン等のマガジン、ジャーナル、データベース、本、会議議事録などが含まれます。図書館のPCなどの設備費用や人件費は含みません。
また、研究者の共通経費からのジャーナルパッケージへの支出については、図書館資料費用には含まれません。
Q2. Unsubの購読は、いつから始められるのでしょうか?また、長期の計画を立てる1年だけ2年だけの購読でも問題ないでしょうか?
A: Unsubの購読は年間購読となります。長期の計画を立てる1年や2年だけでも問題ありません。ぜひこれらのツールを利用し、シナリオを作成・実行して、本当の効果を確認してください。
Q3. Unsub.orgはトライアルができないと聞いたのですが、どこかで機能を試すことができるサイトはありませんでしょうか?
A: unsub.orgについては、施設毎の引用数、著者数、さらにapcコストを算出するための著者の数、論文数等の施設毎の情報を抽出する必要がありため、トライアルはできません。その代わり、操作を試していただくサイトをご提供することができます。
(弊社で提供するサンドバックサイトでは、上記の理由から、アップロードしてしまうと必要な表示が消えてしまうため、決して自施設の利用統計をアップロードしないでください。)
ご希望の方は、[email protected]までご連絡ください。