複数の出版社情報を提供する主要なリソース、Crossref、OpenAlexなどにおいて、書誌情報の所属(Affiliation)についてのデータの欠落、所属の部局の不足、古い所属データの登録といった問題が確認されており、正確な研究統計・分析を行う上での大きな妨げとなっています。
本サービスは、所属機関自身が書誌情報の所属データをアップデートできるようにすることで、より網羅的かつ正確な情報提供を目指します。また、所属機関の永続識別子であるROR(Research Organization Registory)IDについても、追加、更新、変更に対応するサービスを提供します。
手法としては、フランスのWork-Magnetsと同様に、無料で利用可能なOpenAlexの書誌情報を修正・提供することで、OpenAlexをはじめとする関連サービスに対して正確な所属情報が行き渡るように働きかけます。
その結果、大学の研究成果や助成機関の研究助成のアウトプットについて、漏れのない情報収集が可能になります。
Open Metadata Update Serviceは、機関内部の最新の人事データ(正解データ)を活用し、これらの不完全な外部メタデータを自動的に補正・詳細化するためのソリューションです。
詳細は、以下のReadme.mdをご確認ください。
・部局情報の欠落と変更への対応:現在、日本でのROR IDは基本的に大学や病院単位で単一割り振りされていますが、西欧諸国では部局単位での割り当てが始まりつつあります。今後、機関名単位から部局レベルへのROR ID割り振りが進む可能性が高く、これらの変更に柔軟に対応できるシステムである必要があります。
・ROR IDの不一致:部局レベルのROR IDが付与されていない、あるいは誤ったIDが紐付いている問題の解消を目指します。
・所属の不明な著者の探索:所属名簿と外部メタデータを照合することで、機関が責任をもって、所属著者の成果物への貢献を示すことを可能にします。
・レポジトリ登録時の確認:本システムは、レポジトリ登録時に書誌情報を確認及び変更することで、OpenAlex側にも修正を促す役割を担います。
Webアプリでありながら、サーバーを介さない「スタンドアロン形式」を採用。機密性の高い人事名簿データをブラウザの外に出すことなく、安全に照合処理を行います。
React等の重いフレームワークを排除したVanilla JS構成。数千人規模の名簿データでもフリーズすることなく、瞬時に検索・マッチングを完了します。
「研究者名簿」と「部局別RORマスタ」を個別にアップロードし、組織変更やROR IDの追加にも、CSVを更新するだけで即座に対応できます。
1. データ収集:Crossref / OpenAlex APIから現在のメタデータを取得します。
2. 名寄せ(Mapping):氏名正規化ロジックによる人事名簿との高速照合を行います。
3. 階層構築:名簿から「正式な所属フルパス」を自動生成します。
4. ID付与:所属名に基づき、Child-RORマスタから最適なIDを特定します。
5. 成果物出力:OpenAlex等への一括修正依頼にそのまま使えるCSVファイルを生成します。
・機密管理:ソースコードはリポジトリで管理します。
・実行環境:各担当者のローカル環境で実行することでセキュリティを担保します。
1. Index.htmlの起動:Index.htmlをダウンロードした後、ブラウザのウィンドウにドラッグ&ドロップして開きます。
2. 親RORの入力:システム上に親となるROR IDを入力してください。
3. 所属名簿の入力:システム上に、CSVで所属名簿(英語・日本語)を最大3階層まで入力してアップロードしてください。(サンプル1)
4. 部局リストの入力:システム上に、部局リスト(英語・日本語)と部局の子ROR(なければ親ROR)についてを最大3階層まで入力してアップロードしてください。(サンプル2)
5. DOIの確認:確認したいDOIをコピペしてください。
6. 著者情報の探索:DOIを入力するとタイトルが表示されますので、タイトルをクリックして著者を探索してください。
7. 情報の確認と修正:現在のOpenAlexでの情報と、登録した所属名をベースとした変更案が表示されますので、内容を確認または修正してください。
8. CSVファイルの出力:最後に、画面右上の「CSV」ボタンをクリックすることで、OpenAlexへの変更依頼用のCSVファイルが出力されます。